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目次
損しない製薬会社選び!将来性が良い会社でMRをやるために【武田、アステラス、エーザイ】
☑内資系製薬のなかで将来性がいい感じの会社ってドコなの?
☑やっぱり今人気の中外製薬がいいのかな?
いま中外製薬が人気が高まっていて、第一志望として考えている就活生多いですよね。
でも、ボク自身の一番のお勧めは「第一三共」です。
就活生(特に薬学生)には、ぜひ第一三共を受けてほしいと思います。
一方で「ピンポイントで第一三共や中外製薬から内定もらうなんてムリ!」
こんな声も聞こえてきそうです。
というわけで、本日は以下の3社の近未来の将来性について考えていきましょう
【本日の内容】
この3社の近未来について考えてみよう
・武田薬品
・アステラス製薬
・エーザイ
会社の10年20年先の将来性なんてわからないんで、あくまでも近未来、ここ数年くらいのスパンでみていきます
というわけでタケダからいってみましょう。
製薬会社の近未来 武田薬品MR
武田薬品の近未来 『若干不安要素アリ』
武田の一番の不安要素。
それは『オレキシン作動薬TAK-994がコケてしまったこと』
予想売り上げは、ピーク時で3000億円。
*「オレキシン」っていうのは さっくりいうと脳を覚醒させる物質
目覚める作用があるんで、ナルコレプシーっていう日中に強烈に眠くなってしまう病気の治療に使われています。
しかも、TAK-994は武田の湘南研究所で開発した『期待の自社品』。
自社品ってことは、利益率も高いということになりますね~
これが去年(2021年)安全上の問題が起こってしまって、臨床試験がストップ・・・
これからの武田の屋台骨になる薬がコケてしまったので
影響はおおきかったようで、株価にもかなり影響してしまいました。
じつは武田の3つほどオレキシンに関する新薬候補をもっています。
いわゆる「オレキシンフランチャイズ」って呼ばれてますね。
ココで4000億~6000億くらい稼ぐ見込みで
武田のパイプラインのなかでも、かなりメインどころになっています。
そして、そのトップバッターがコケているのが武田の不安要素です。
武田薬品ってこれからヤバイんじゃないの?
こう思われた方も多いと思います。
でも、さすがの天下の武田薬品で、ちゃんと会社を支える大きな薬はもっています・
今の武田の屋台骨「エンタイビオ」(潰瘍性大腸炎治療薬)
売り上げはなんと4000億円!
武田の売り上げ全体が3兆円ちょっと。
その巨大な売り上げのうち、ひとつの薬で1割以上を稼ぎ出しています。
しかも、エンタイビオに関しては最近グッドニュースが・・
それが屋台骨「エンティビオ」の延命!
延命とは、後発品(ジェネリック)の登場が遅れているということ。
もともと日本で2026年に特許が切れるって言われてました。
薬の特許が切れたらどうなるかは、皆さん分かりますよね。
がっつりジェネリックが発売されてきて、売り上げはガツンと落ちていきます。
でも、ジェネリックの開発が遅れていたり、薬自体の特許が切れても製造方法の特許がまだまだ残るようです。
結局、武田の屋台骨エンティビオの後発品がでてくるのは2030年くらい。
これは武田薬品にとって朗報ですね。
製薬会社の近未来 アステラスMR
アステラス製薬の近未来『割と期待が持てるかな?』
イクスタンジ一本足打法からの脱却!
アステラスの近未来はココにかかっています。
イクスタンジの売り上げは5000~6000億円
アステラス全体の売上の約4割です。
まさに絶賛イクスタンジ一本足打法中のアステラス。
気になる特許切れですが、2029年頃(日本)と言われています。
*世界だともうちょっと早くれ2027年頃。
それまでの数年間で後継者となるエースを育てていくことが
アステラスの喫緊の課題ですね。
アステラス製薬 次のエース候補は?
アステラス 次世代のエースはこちらの兄弟です
①パドセブ(尿路上皮癌)
②フェゾリネタント(ホットフラッシュ 更年期障害の症状)
イクスタンジに続く、この兄弟がある程度の形になりつつあるんで
アステラスは『割と期待が持てるかな』っていう感じです。
①パドセブ
こっちが兄貴です。
すでに日本でも発売済み。
2030年ごろに年間売上高が最大4000億円に達すると試算。
これからの屋台骨となる最有力候補です。
ただ、いまの段階ではまだ、適応症が限られています。
(ほかの癌の薬とか、色々試したあとに限って使ってね、って言う感じ)
2022年、今年の後半には、さらに適応を広げる(一次治療にも使える)ために臨床試験の結果がでてくる予定。
そこでの結果がポジティブなら、最初のほうから使えるようになるので、かなり売上も伸びてくるでしょう。
それこそイクスタンジ一本足打法から抜け出す原動力になってくれそうです!
②フェゾリネタント
こっちが弟。
日本ではまだ未発売です(2022年2月時点)。
ピークの売上高を3000億~5000億円と見込んでいる超大型新薬候補。
金額としては、兄のパドセブと同じくらい。
去年(2021年)の2月に「2つの臨床第3相(P3)試験で主要評価項目を達成した」
と発表していて、順調に進んでいることがわかりますね。
製薬会社の近未来 エーザイMR
エーザイの近未来 今年(2022年)が勝負!?
今年大事なイベントがあってそれが上手くいくかどうかでかなり変わってきますね。
うまくいけばめちゃくちゃよくなる可能性もあるし、コケる可能性もある。
こんな感じです。
エーザイはいま2つのアルツハイマー治療薬が
今年はけっこうな佳境を迎えています。
超期待の新薬 ともにアルツハイマーの薬
①アデュカヌマブ
②レカネマブ
アステラスの新薬が兄弟だったんで、こっちは姉妹ってことで。
両方ともかなり期待の新薬です。
というのもアルツハイマーの薬って
進行を食い止めたり
認知機能を一時的な改善するくすりはあったけど
病気の原因に直接効く薬は初めてなんで注目を集めています。
まずは姉のアデュカヌマブ。
2021年の年末にアメリカの保険当局が『保険適用を臨床試験(治験)参加者に限定する』と発表
エーザイにとっては打撃ですね。
これってどういうことか分かりますか?
薬は、臨床試験で安全性と効果を確認してから、世の中に薬をして出てきますよね。
そして、この臨床試験は、病院に委託しておこなわれています。
ちなみにココはほぼ無料で患者さんには薬が提供されます。
そして、たとえば1年間とか、臨床試験の期間が終了しても、その患者さんは普通はその病院に通い続けますよね。
でも、臨床試験は終了してるんで、患者さんは治療費は払わないといけなくなります。
日本だと、ふつうは3割負担とか、ですね。
アデュ(姉)は、この臨床試験に参加した、世界で何百人・何千人以外の人は使っちゃダメってこと。
これだとせっかく開発したエーザイからしたら商売あがったりです。
これは背景に、このアデュを使う前にかなり高額な検査をしないといけなかったり、
アデュ自体も値段が高いのに、効果面でもそんなに劇的な効果が見込めなかったっていうのがあります。
そういう背景があって、国やら税金で7割負担してあげるのはムリ!(日本の場合ですが)となったわけです。
かなりの制限をかけられそうになっているエーザイからしたら、たまったもんじゃないですね。
エーザイはこの状況に対して「強く反対する」との声明を発表
アメリカの保健当局に対して「強く反対する」との声明を発表
エーザイからしたら、アデュ(姉)がピンチなのもあるんですが、
同じアルツハイマー治療薬の妹のほうもかなりの大金をかけて臨床試験をおこなっていますから
妹も同じような扱いをうけたらヤバイって心配しているわけですね。
アデュ(姉) 日本でも『継続審議』に・・・
ちなみにお姉さんはアメリカだけでなく
日本でも承認申請をおこっています。
その結果は「継続審議」・・・発売までの道のりはまだまだ長い。
ここが今年はどう動いていくのが注目です。
エーザイ今年(2022年)勝負どころです
妹「レカネマブ」について
今後の動向としては、妹のほうはどうなのか?
これも気になるところ。
ちなみに妹のほうが、姉よりも効果は良いとの前評判でした。
2022年2月の時点では
「とてもエキサイティング」
エーザイの常務もこのようにコメントしてます。
順調な感じです。
22年度中に米欧日で同時承認申請をめざすとのことで
ここが承認されるかどうか、結果は今年中にでてくるかはわかりませんが
アメリカは早めにでてきそうなので、今年は妹の方にも注目です
まとめ 大手製薬会社の近未来
武田薬品:若干不安要素アリ
アステラス:割と期待が持てるかな?
エーザイ:今年が勝負!
とはいえ、今後の長期視点10年、20年でみるとどうなってるかは誰にもわかりません。
あくまでの参考程度で。
ボクの基本スタンスは「会社の将来性」よりも皆さんの将来性が育つかどうか
この視点で選ばれるのがいいんじゃないと思います。