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【悲報】年収アップのチャンスを逃しているMRが多い
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目次
将来のリストラや株価にも影響大!ひとつの薬への頼りすぎの製薬会社ランキング 内資大手 2023年最新版
こんにちは。
製薬会社勤務11年のけいとです。
2023年4~5月に発表された製薬各社の決算内容から『どの会社が安泰か?逆にどの会社が危ないのか?』についてみていきましょう!
今回、取り上げるのは”内資系大手 10社” です。
日本の製薬会社へ就活&転職を考えているひとや、株式投資をしてるひとは将来性の予測にお役立てください!
本記事では、ひとつの薬の売上に依存しすぎな会社=不安定な会社 と定義しています。
依存度=会社全体の全体に占める”トップセールス商品”の割合です。
トップセールス商品(その会社のエース薬)に不測の事態があると、すぐにピンチに陥ってしまうからです。
【内容】
①絶対知っておきたい!各社の”エース薬”への依存度ランキング
②ここは安泰!ひとつの薬だけに頼っていない会社は?
③ぜったい避けるべき!ひとつの薬への依存度大きすぎの会社は?
YouTubeのほうが詳しく解説しています!
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絶対知っておきたい!各社の”エース薬”への依存度ランキング
さっそく結論からです。
繰り返しですが、
依存度 = 会社トータルの売上に占める『トップセールス商品の売上割合』
なので、たとえばワースト1位の小野薬品だと
オプジーボ(+ロイヤリティ収入)という一つの薬によって、会社の売上の51%を稼いでることになります。
あたりまえですが、オプジーボに何か不測の事態があったら小野薬品はとんでもないことになりますよね。
株価やリストラにつながることもありえます!
内資系大手 10 社の『依存度』を集計しています。
順位は上にくるほど、依存度が上がり危険
内資系企業は、新薬がたくさん出てくる会社がないので、ひとつのトップセールス商品(エース薬)への依存度が高くなりがち。
(もちろん内資のいいところもたくさんありますw)
とはいえ、この結果みると、同じ内資でも依存度は14%から50%越えまでいろいろ
ということが分かります。
それでは、ここから各社の状況を深掘りしていきましょう。
この4社は安泰!ひとつの薬だけに頼っていない会社は?
✓中外製薬 依存度も低くて、これから長く安心な会社
中外製薬 総売上: 1兆1,680億円
トップセールス商品(ヘムライブラ)への依存度 14.4%
トップセールス商品はヘムライブラ(血友病)で、2022年の売上は 1,680億円 ※海外への出荷額込み
14%なので、依存度はぜんぜん高くなく安泰。
さらに心強いことに、ヘムライブラの特許期間は2036年までというところ。
これからも長いあいだ、中外を支える薬になりますね。
これから少なくとも10年くらいは安泰に見える中外製薬。
しかも今は新しい遺伝子治療薬の分野に参入したり、2021年が眼科領域にも参入したりと事業拡大にも積極的です。社員数も増やしてる段階なので、転職のチャンスもひろがっています。
興味があるかたは、すぐにMR転職に強い転職エージェントMR BiZに申し込んでおきましょう。
もし今の中外で最先端で魅力的な薬を担当できれば、あなたのMRとしての市場価値もあがります。
✓大塚製薬 グローバル4製品に売上が分散してて安心
大塚製薬 総売上: 1兆1,680億円*
トップセールス商品(レキサルティ)への依存度 14.9%
※大塚製薬ホールディングスは多くの事業を展開してるので、医薬品事業のみの売上で集計しています
実際の大塚製薬ホールディングスの売上は、ポカリスエットやカロリーメイトを含めるともっと高いです。
トップセールス商品はレキサルティ(抗精神病薬)で、2022年の売上は 1,690億円。
こちらも14%台ということで、かなり安心です。
大塚製薬は、グローバル展開している主力製品が4つ(グローバル4製品って呼んでます)あります。
普通に考えて、4つもあれば安定はしますよね。
大塚製薬 好調を支えるトップ4 (グローバル4製品)
①抗精神病薬『エビリファイメンテナ』
②抗精神病薬『レキサルティ』
③抗悪性腫瘍剤『ロンサーフ』
④利尿薬/ADPKD薬『サムスカ/ジンアーク』 ⇒売上が4製品に分散しているので安定感バツグン
下記のようにグローバル展開が上手くいっているのが大塚製薬の特徴です。
”グローバル4製品” もし就活などで大塚を受けるなら覚えておきたい言葉ですね。
✓武田薬品 主力品「エンタイビオ」がまだまだ健在なので安心!
武田薬品 総売上: 4兆280億円
トップセールス商品(エンタイビオ)への依存度 17.4%
トップセールス商品はエンタイビオ(潰瘍性大腸炎薬)で、2022年度の売上は 驚異の7,020億円。
7,000億円ごえの商品は、内資系企業の薬のなかではトップの売上でしょう。
しかも、まだまだ売上伸びてるのが驚き。
前年から15%もアップしていく見込み。恐ろしいw
しかも、2018年に発売したのに、特許期間が2032年まで続くってのも驚き。
どんな技を使ったらそうなるのか不思議ですが、さすが天下の武田薬品ですね。
✓第一三共 これから抗がん剤トリオの黄金時代へ!
第一三共 総売上: 1兆2,790億円
トップセールス商品(リクシアナ)への依存度 19.1%
トップセールス商品はリクシアナ(抗凝固薬)で、2022年度の売上は 2,440億円。
特許期間は2027年。迫っているとはいえ、依存度はあまり高くないのでさほど心配無用。
さらに第一三共が安心なのが次世代のエース候補も揃ってるという点。
それは抗がん剤のトリオになります。
ご存じのかたも多いと思いますが、3ADC(抗体薬物複合体)ってよばれる新しいタイプの抗がん剤です。
第一三共はそれを3つ持っていて、1つ目のエンハーツはすでにリクシアナに迫る勢いで売れてます。
将来的には3つのADC(抗がん剤トリオ)が売上の中心になっていき、早くも2025年には3ADCだけで約9,000億円の売上見込み!
トップセールス商品リクシアナの特許切れ(2027年ごろ)よりも先に、後継者が育ってくる状況なので、かなり安心できる会社ですね。
ぜったい避けるべき!?ひとつの薬への依存度大きすぎの会社は?
✓住友ファーマ 2023年もっとも不安な大手製薬のひとつ
住友ファーマは今年とくに注意が必要です。
住友ファーマ 総売上: 5,560億円
トップセールス商品(ラツーダ)への依存度 28.1%
トップセールス商品はラツーダ(抗精神病薬)で、2022年度の売上は1,560億円。
依存度28.1%って、そこまで高くないから大丈夫なんじゃないの?
って思われるかもですが、現実はかなりやばい状況。
世界最大の市場の北米で2023年2月 すでに特許が切れています!
しかも、それを補う商品が見当たらないのが痛いところ。。
さらに、ラツーダは、ふつうの飲み薬(低分子薬)なので、あっさりマネされてしまって売上は吹き飛ぶでしょう。
北米での売上は10分の1くらいに落ち込むことが予想されます。。。
2023年度末の決算では、相当な売上ダウンが見込まれてて、まさに絶対絶命です。
✓塩野義製薬 過去最高業績のウラ側で迫るピンチも。。
塩野義製薬 総売上: 4,270億円
トップセールス商品(HIV薬のロイヤリティ収入)への依存度 39.6%
トップセールスはHIV薬のロイヤリティ収入、2022年度の売上は 1,690億円。
塩野義はHIV薬を開発し、他社にライセンスを売ることで利益を上げています。
自前で営業部隊をもたないので、高い利益率を得ることが出来てます。
さらに、塩野義は2022年に新型コロナ飲み薬「ゾコーバ」で大幅に売上拡大。
政府の一括購入のお陰なので、毎年続くものではないですが、2022年は過去最高業績を達成です。
好調そうに見える塩野義ですが、収益を支えるHIVロイヤリティにも特許切れはやってきます。
タイムリミットは、2027~2028年ごろ。
とりあえず、新型コロナ飲み薬ゾコーバで救われた感は大きいですが、2028年頃までに、新しいエースが登場してなかったら大ピンチです。
塩野義製薬の将来性に関しては、こちらの動画で紹介していますので興味のあるかたはご覧ください。
✓アステラス製薬 ここ数年は苦戦が続く可能性・・・
アステラス製薬 総売上: 1兆5,190億円
トップセールス商品(イクスタンジ)への依存度 43.5%
トップセールス商品はイクスタンジ(前立腺がん薬)で、2022年度の売上は驚異の6,610億円。
売上が1.5兆円もある会社が、たった一つの商品で4割以上の売上を稼いでるって、とんでもないですよね。
しかも、まだまだイクスタンジの売上は伸びるご様子。
欧米で追加の承認申請!
ピーク時売上は7,000億円です!
そんなイクスタンジの特許切れは2027年。
2027年以降に売上を支える薬(パドセブとフェゾリネタント)は出てきてるものの、実は2027年よりも前に結構な痛手が続きます。詳しくはこちら【決算発表から考察】アステラス製薬を徹底解剖(一見好調そうだけど、危険が忍び寄る・・)
2023年に腎性貧血「エベレンゾ」の苦戦で500億円の損失。
2025年頃には、じつは2,000億円近く売れてるベタニス(過活動膀胱薬)の特許切れの予想。
そして、最後に7,000億円のイクスタンジの特許切れ。
この3連発はなかなか厳しいでしょう。
おそらく2030年くらいにはかなり持ち直していることが考えられますが、ここ数年は苦戦が続く可能性が高いアステラスです。
✓小野薬品 オプジーボへの依存度は凄まじいけど、さほど心配はいらない
小野薬品 総売上: 4,470億円
トップセールス商品(オプジーボ)への依存度 51.9%
トップセールス商品はオプジーボ(抗がん剤)*で、2022年度の売上は 2,320億円。
※オプジーボの売上はロイヤリティー収入も含む金額
オプジーボで乗りに乗っている小野薬品。
オプジーボは適応拡大を繰り返し、いまや小野薬品の売上の半分以上をカバーするまでになりました。
そんなオプジーボの特許切れは2031年。
ぶっちゃけ、心配するような年ではないですねw
万が一、2030年くらいまでに大型の新薬がでてこなければヤバイですが、そんな先のことは誰にも分かりません。
というわけで、依存度はもっとも高いので、押さえておくべきですが、現時点で心配はいらない小野薬品です。
まとめ ひとつの薬への頼りすぎの製薬会社ランキング 内資大手 2023年最新版
▼ひとつの薬の売上頼りすぎ! 依存度ランキング 内資大手編
①安心安全な3社!!
中外製薬/大塚製薬/武田薬品
とくに中外製薬や武田薬品は希少疾患専任MRやオンコロジーMRなどの専門性の高いMRを目指せるのが魅力。
すでにMR経験のあるひとであれば、MR BiZでいい転職案件が紹介してもらえる可能性があります。
②注意!依存度40%以上の3社
塩野義製薬/アステラス製薬/小野薬品
小野薬品はオプジーボへの依存度が特大ですが、さほど心配はいらないでしょう。
③じつは一番危険! 住友ファーマ
23年2月 ラツーダ北米での特許切れで、売上は10分の1程度に落ち込むことが予想されます