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目次
知らなきゃやばい!『じつは新薬がない?』内資系準大手の将来性【大塚製薬/小野薬品/住友ファーマ】
こんにちは。
製薬会社勤務11年のけいとです。
今日はこういった方に向けた記事です。
製薬志望(特にMR)の就活生の方へ
転職を検討中のMRの方へ
☑製薬会社の将来性、どこが良いのかわからない!
☑これから、たくさん新薬を出してくれる会社ってどこなの?
製薬会社(特にMR)を志望する人にとって
「将来性」は「新薬の数」にかなり左右されますよね。
というけで、今日は『新薬の数』を取り上げます!
下のような条件で、各社の新薬の数をまとめていきます
・日本でこれから発売される新薬(海外の開発パイプラインは含まない)
・薬の開発試験が最終段階(PhaseⅢ)まで進んでいる。もしくは申請段階までこぎつけてるもの
(薬の開発試験は途中で失敗することもよくあるからです)
というけで、まずは結論から。
▼製薬内資 準大手 これからの新薬の数は?
・大塚製薬 7コ
・小野薬品 3コ
・住友ファーマ 3コ
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大塚製薬 新薬数:7コ
結論
将来性:
得意の『精神・神経領域』がさらに拡張!
「がん」の分野の新薬はまだまだ未知数。
▼大塚製薬の現状
大塚トップ4 (グローバル4製品)は安泰
・抗精神病薬『エビリファイメンテナ』
・抗精神病薬『レキサルティ』
・抗悪性腫瘍剤『ロンサーフ』
・利尿薬/ADPKD薬『サムスカ/ジンアーク』
⇒トータル5,000億円の売上
前年比15%UPで伸びており2026~27年までは安泰
大塚製薬で気にすべきポイントは2027年以降ですね
▼大塚製薬の今後の戦略
『精神・神経領域』で世界トップクラスへ!
いまのところ、わりと安泰に見える大塚製薬において
将来性を予想するために大塚製薬でみておくべきポイントは下記の2つ!
①得意とする『精神・神経領域』で次の新薬はあるのか?
②「精神神経領域」以外に伸びる分野があるかどうか?
大塚製薬 新薬数 7コ (内訳 PhaseⅢ:7コ 申請中: 1コ)
得意の『精神・神経領域(新薬4つ)』が引き続き好調!
得意分野が好調なのはよいですが
それ以外の分野(たとえば、各社が力をいれる「がん領域」)ではどうでしょうか?
『がん領域』では、日本で開発後期の製品がひとつもない。
ここは残念なポイント。
「がん領域」の薬は価格も高く、製薬会社としても売上を伸ばしやすい分野。
なので、ココが未知数な状況というのは、将来性においてはマイナスですね。
大塚製薬 まとめ
・新薬数は7個と十分な数!
(内訳 PhaseⅢ:6 申請段階: 1)
・得意の『精神・神経領域』では引き続き新薬が登場
・『精神・神経領域』以外での得意分野はまだ無い
・「がん領域」の新薬は開発初期段階で、まだまだ未知数
小野薬品 新薬数:3コ
結論
将来性:
目立った新薬はないが、主力品『オプジーボ(抗がん剤)』がどんどん適応追加していく!
将来性はさておきMRとしてはやりがいが大きい!
今後、オプジーボの利益で大型薬を買収の可能性も!?
▼小野薬品の現状
偉大すぎる大黒柱『オプジーボ』
・オプジーボ(抗がん剤)+ロイヤリティ収入で売上の6割以上を稼ぐ!
・オプジーボの特許切れは2031年。ここ数年は安泰!
「オプジーボ」以外の薬は?
オプジーボの後継者は出てくるのかな?
▼小野薬品の今後の戦略
まずはオプジーボを徹底的に伸ばす!
とにかく『オプジーボ』の適応拡大がスゴイです!
30以上の豊富な治療方法を追加していきます!
これはオプジーボを担当するMR(営業担当)としてはやりがいはありそうです。
では、注目の『オプジーボ以外の薬』はどうでしょうか?
小野薬品 新薬数 3コ (内訳 PhaseⅢ:3コ 申請中: 0コ)
新薬の数は3つで、ちょっとさびしい状況です。
とくにオプジーボ以外の「抗がん剤」に関しては、新薬はたったのひとつ。
小野薬品は、オプジーボという偉大な「がん」の薬を売るために
がん領域の専任部隊をつくっています。
この強みをいかすべく、オプジーボの後継者となる「抗がん剤」はなんとか手に入れたいところ。
ですが、いまのところ「抗がん剤の新薬候補は1コ」っていう、めちゃきびしい感じです。
とはいえ、小野薬品はオプジーボでかなり稼いでいるので
良い薬を買い取ってくる可能性はあります!
抗がん剤以外では2種類だけ・・・
もう見ての通りですね。
オプジーボ以外の薬に関しては、それなりにツライ状況です。
というわけで、しばらくはオプジーボに頼る状況がつづきます。
就活や転職の候補とするならば「これからはオプジーボ一辺倒の時期が続く」
これは認識しておいたほうがよさそうです。
小野薬品 まとめ
新薬は3個と若干少なめ!(内訳 PhaseⅢ:3 申請段階: 0)
・オプジーボ以外の抗がん剤の新薬候補はたったのひとつ
・目立った新薬はないが、主軸のオプジーボがどんどん適応追加していきMRとしてはやりがいが大きい!
・今後大型薬を買収する可能性も!?
住友ファーマ 新薬数:3コ
結論
将来性:
・2023年はラツーダ北米特許切れとトルリシティ提携終了と厳しい状況・・・
・期待の星、抗精神病薬「ウロタロント」は発売の2026年まではガマンの時期・・・
▼住友ファーマの現状
2023年 大ピンチ①『ラツーダショック』
ラツーダ(抗精神病薬)売上2,020億円。売上全体に占める割合は4割弱もあります。
⇒これが2023年、世界最大の市場の北米での特許切れ!
2023年 大ピンチ②『トルリシティの販売提携終了』
日本での売上が2番目におおきいトルリシティ(糖尿病薬)。
イーライリリーと販売提携を結んでいましたが、解消されてしまいました。
ラツーダのあとに大型新薬の予定は?
トルリシティもなくなって日本のMRは何を売っていくの?
結論としては、ラツーダの後継者が育っている状況ではなく、きびしい状況です。
詳しく見ていきましょう。
住友ファーマ 新薬数 3コ (内訳 PhaseⅢ:3コ 申請中: 0コ)
日本で開発進んでいるのは、『精神神経領域』の3つだけ!
「精神神経領域」以外で、日本で開発がすすんでいるものは、ひとつもありません。
ネガティブなことばかりですが、ひとつだけ希望の星があります。
ラツーダの後の希望の星『ウロタロント』統合失調症治療薬
・大塚製薬との提携で販売する4つの精神科領域の薬のひとつ
・発売は2026年とちょっと先です(2026年まではガマンの時期が続きます)
・2028年の売上予測は1,400億円
住友ファーマは、精神神経領域以外の分野はどうなっているの?
結論としては、「がん領域」はまだまだ。
「再生医療」は内資系のなかでは進んでるほうだけど、発売までは時間がかかりそう。
▼日本では「がん領域」の薬の発売はまだまだ先!
▼再生医療に関しては、内資系のなかでは進んでいる!
でも、臨床試験の最終段階(フェーズ3)まで進んでいるわけではないので時間はかかりそうです。
住友ファーマ まとめ
・新薬は3個と少ない!(内訳 PhaseⅢ:3 申請段階: 0)
・2023年はラツーダ北米特許切れとトルリシティ提携終了と厳しい状況・・・
・これからの新薬は精神・神経領域がメイン。期待の星の「ウロタロント」は2026年発売!
・「がん領域」「再生医療」の薬は開発しているが、まだまだ時間はかかりそう・・
まとめ 将来性を大きく左右する『新薬の数』 製薬大手~準大手編
将来性を大きく左右する『新薬の数』 製薬大手~準大手編
・大塚製薬 7コ
将来性:★★★☆☆
得意の『精神・神経領域』がさらに充実!
「がん」の分野の新薬はまだまだ未知数
・小野薬品 3コ
将来性:★★★☆☆
目立った新薬はないが、オプジーボがどんどん適応追加していきMRとしてはやりがいが大きい!
オプジーボの利益でこれから大型薬を買収!?
・住友ファーマ 3コ
将来性:★☆☆☆☆
2026年のウロタロント発売までガマンの時期・・・
大手製薬の将来性 新薬の数が気になるかたはこちらの記事をどうぞ。